うぃんつり3.1

情報系研究所准教授(32)のブログです。Twitter/Facebookができてからは、海外出張時における仕事外の話を書くだけの場になってしまっています。

教育

トップなエスイー講義最終日

今日は社会人講義の最終日.緊急着陸事件のため1週間遅れて,こんな週にもやらせていただいています.


最後は「答えがない問題」のグループ議論を行うのですが,相変わらずこちらも楽しいです.アドホックネットワークのルーティングプロトコルの形式モデル化と検証とか,そういうレベルの話なのでネットから写すとかそういうこととは一切無縁.

一方でレポートチェックもなかなか大変です.今回は1週間遅くなってしまったのでもちろん期限を1週間延ばしていますが,成績提出期限は変わらないので,まぁ月末にがっとやります.


講義が終わった後,「ずっと教室にいるので,質問しつつ課題を今解きたい人はどうぞー」と言ったら,皆さん遅くまで頑張って下さりました.今日は1コマだけだったので講義は8時前に終わりましたが,結局10時過ぎまでやってらっしゃいましたね.

自分は誰よりも家が近い自信がある?のでよいのですが,ということは皆さんどうせ家でそれくらい時間をかけてるということですよね.

月曜から金曜まで週5日受けている方もいらっしゃります.すごいですね.刺激になります.

分散システム基礎

今日は分散システム系の基礎講義超短期版.無難に?CORBAとかLamportのhappens-beforeとかを軽く流してみました.思っていたよりも楽しんでもらえた,みたいですかねぇ.

同期や一貫性の話は,Google系のクラウドで妙に話題になってますが,Happens-BeforeとかEventually Consistentとか,はるか昔から教科書に出ている話なんですけどね.しかしLamportさんも,分散からモデル検査,LaTeXまで大活躍しすぎの人.

分散 v.s. 集中とか,トレードオフのあるところは流行が数年おきに行ったり来たりしているだけというところも多々あるので,結局は基礎とか基盤とかいわれるところを本質的におさえておかないと.

その意味ではモバイルエージェントは,(そのときの実装にとらわれず)ちゃんと本質を理解した(つもり)なのでよかったな,と思っていますが,もう少し広い分散システムなり,またソフトウェア工学なり,もっときちんとやっておけばよかったといつも思います.


明日からパリ.というわけで今は実家にいます.

高等学校と高等専門学校と高等教育のカンケイ

今日から トップエスイーでの社会人向け形式仕様記述講義開始.自分の担当は7月中旬からなので今日は「いた」だけなのですが,相変わらず2コマやって22時前だと,「終わった後一休み」しているといつの間にか日付が変わってしまっています.


突然ですが,
  • 高等学校,いわゆる高校で行っているのは中等教育,特に中学校で行われるものと区別して後期中等教育とも言う.
  • 高校卒業後の大学,短大等での教育は高等教育.
  • 高校卒業後に通ういわゆる専門学校,厳密には専修学校のうち専門士の称号が出るものは,高等教育.
  • 高等専門学校,いわゆる高専は,中学卒業程度を入学資格とした5年制が主であり,実質的には3年間後期中等教育に該当するものを行うとともに,2年間高等教育を行っているようなものとも見なせる.ただ「3年+2年」という分け方には内部的になっていないだろうし,法的には高等教育機関という扱い.
・・・でいいのかな?

例のプログラミングコンテスト(ICPC)の受付締切が迫り,問い合わせをがんがんいただいているのですが,参加資格では「初めて高等教育機関に入学した時期」が問題となってくるのですよね.回答メールを書いていて,「文面から予測するに,この方のいう専門学校は,4年目から実質的に高等教育が開始されると見なせる高等専門学校のことではなく,中等教育を行う高等学校を出てから入学し高等教育を受ける専修学校のこと,かな」という,書き出してみたらとても合っているように見えない論理を整理.

仕分けの話・補足(北京から)

今日はオープンハウスを途中で抜けさせていただいてドタバタと北京へ移動.関係者が顔を合わせてみっちり打ち合わせできる日を調整したら土曜しかなかったという.

2月にまさかのハルピンに行ったのに続き,中国は2回目.相変わらず運転がアグレッシブ,そして交差点がカオス.タクシーのアグレッシブな運転のおかげで思っていたよりもずっと早くホテルに到着したものの,チェックインで30分ほど待つ羽目に.何か,格安でビジネスルームにしてもらえる,という話で混乱したみたいです.けっこういいホテル.

昨日書いたNASAとクラウドの話とか,いろいろ書きたいことはあるのですが,どれも中途半端に関わっている身なので,ちゃんと整理する時間ができたらきちんと書くと思います.


以下仕分けの方について軽く.

特に仕分け(文部科学省の行政事業レビュー),もう書いてしまいますが,「先導的ITスペシャリスト育成推進プログラム」の話は,「廃止」という言葉も一部一人歩きして,いろいろな感想が出ているみたいですね.

まず,「日本の科学技術(というかICT)にとってこんなに重要な話が廃止だなんてけしからん」という気持ちをまず強く感じるのもよくわかります.個人的には,「こんな素敵な話,自分が学生さんのときにあればなぁ」とか思います.また「そこは違うかなぁ」と思う評価コメントもあります.議論のコンテキストをすべて見ず,一部の方がtwitter等に残した「極端な部分だけ切り取ったかもしれないコメント」を後から見ているので,何とも言えませんが.

一方で,いろいろな要素が複雑に影響する中で現実にやってみた結果「改善の余地」も多々あるのは当たり前でしょう.また,そもそも今年度で終わる予定の事業である点とかはあまり把握されていないと思います.つまり「実質的には(ほぼ)終わった話」に対して「ここがよかった・悪かった」という話がいろいろ整理されていて,その中には「東大等の特定大学だけを支援するのはやめて,全国の大学どこでもできるように支援していかないとおかしい」というタイプのダメ出しも入っているわけですね(まぁ「広くやる」というのはそんな簡単な話ではないですが).最後に,「明日(なり半年後なり)関連することをもう全部やめてしまえ!」という乱暴な話でもないわけで.

まだ情報が断片的ですが,そういう側面もあるということは書いておきます.たぶんこれ以上の情報は入らないでしょうが.

プレスリリースその1: クラウドで学ぶ,クラウドも学ぶ

edubase Cloud & Spaceのプレスリリースがありました.


去年自分がロンドンに行っている間に立ち上げが進んでいたもの.帰ってきて話を聞いて実物を見て,おーーー,という感じ.その後ユーザとして関わらせていただいている感じです.

本当は,今週ちょこちょこ書いた,サービスコンピューティングの講義でのWebサービス演習・実演にedubase Cloudを早速使いたかったのですが,今週の講義には自分の準備が間に合わず.

もうすぐ,企業の開発者向けの形式仕様記述(VDM)講義でedubase Spaceの方を使わせていただくので,活用を計画中.座学だけではなくて,「正解」がない問題のグループ演習も大きな割合を占めるので,そこでうまく使いたいな,と.

実際にこういうものを見てみて,使ってみて,研究ネタもいろいろいただいています.

サービスコンピューティング系講義

今日は大学院講義.散々迷いましたが,「サービス指向コンピューティング」というレアな講義をさせてもらっています.Webサービス周りの(今となっては常識的な)技術もあるのですが,「応用分野・ビジョン」ドリブンで結局,基礎・基盤・原則をつついていくような講義にしてあります.大半分散システム周りですが,ソフトウェア工学やSemantic Webの話も多少入れています.

せっかく大学院なんだしアカデミックらしいもっと地に足の着いた基盤領域・科学的な諸々を教えた方がいいとも思っているのですが,他の先生方の講義も考えてこういう落としどころになりました.

学生1人に教員が3人つくようなすごい人数比の大学院ですが,思ったより学生さんが来てくれてよかったです.2人留学生がいたので講義は英語.「留学生がいたら英語」はこの大学院の原則ルールですが,いいですよねこれ.


本当は,IEEE Transactions on Services ComputingのACM Taxonomyなんかを元に内容を決められるといいのですが,さすがにこれを全部やれません.時間的な話もありますが,経営工学とかとちゃんと絡んだ話は,とても人に教えられるレベルではありません.

こういったサービスコンピューティングの話も,BoK(Body of Knowledge)ができるといったレベルにはほど遠いです.まぁそういう試みは一応あるのですが,中を見るとまだまだですね.「SIerがSystem IntegratorではなくService Integratorになる」とかよく言いますが,スキル標準とかできるのは3年後なのか,5年後なのか,10年後なのか,もっと後なのか.それ以前に,実装技術としての"(Web) Service"は比較的どうでもいいでしょうが,いわゆるCIOの役割につながっていくようなスキル・教育・キャリアパス・etcは日本でいつ強くなっていくのでしょうかね.

5期離陸

今日は社会人向け教育コース(トップエスイー)の初日.正確にはプレ講義はあったのですが,今年度からの新システムの初日.昨日の朝とか先週末あたりはもうどうなることかと思いましたが何とか離陸.頑張って下さった皆さんに感謝です.

そのコースでは,夜の6時半から9時半くらいまで講義.しかも皆さん週に2回くらいは来てらっしゃるのですよね(たまに週4とかの強者もいますが).昨日の話とつながりますが,実現したい「価値」へのモチベーションがあってステップを踏み出しに来ている人たちは強いですし,とても刺激になります(ほぼ同世代or年上ですし).

続: 終わらない師走

昨日は職場が法定点検のため停電.その後に一部のネットワークがちゃんと復旧しておらず,自分のマシンからはつながらない.昨日の夜に来てがっくりしたものの,ネットがいらない作業に何かやたら集中できて,22時くらいに帰るつもりが29時くらいまでいてしまいました.twitterやら諸々を見られない方が集中できるということですかね.

今日は平日の祝日&停電後ということで特に人がいたようです(入り口の名簿でわかる).が,ネットがつながらないので10分くらいで退散している人がたくさん.あーあ.


昨日かなりとりとめなく書いたので,今月がつんと進めたいことを見直しがてら書き出してみた.わかっていたけどカオス.

<研究周り>

・ サービス指向系の研究.検索関連ネタが1つ,ロンドンで構想はきっちりしたので後はどこかでがつんと作業すれば何とか.あともう1つ,工学系のネタを整理中.これから国際会議の投稿シーズンなので一気にまとめ上げてしまいたい.サービス指向系は,関連したことをやっている学生さんの数がかなり増えたので,もっと大きなことも少し計画中.

・ 法務+要求分析の共同研究.自分が法律素人過ぎてさまよっていたけど,そろそろ判例読みまくってまとめ上げてしまわないと.あと,ロンドンで見つけてきた別の共同研究先とのコンタクト,立ち上げ.

・ 組み込み開発+形式仕様系の共同研究.年末に一区切りつけたので次のテーマの立ち上げ.パートナーさんが攻めの姿勢なので楽しいです.

<学生関連>

・ 卒論,修論中間発表,修論指導.自分は現職の前に予備校副業10年とかやってるので,学生さんと関わるのが好き&楽しい&いろいろな思い入れがあるのですが,もう悠長なことを言っていられる時期じゃないですね.こちらができることは限られていますが,自分自身のいろいろな力につながるので,しっかりとした想いを抱いてがっつりがんばって欲しいです.

<ソフトウェア工学教育系>

・ 社会人向け教育コースの修了制作指導,メイン担当とサブ担当が数人ずつ.皆さん企業から,自分と違う視点と知見を持ってきて下さるのでかなり面白いです.自分のロンドン滞在があってスケジュール的にどうかと思ったのですが,立ち上げが皆さん順調で一安心.

・ 同コースの入試や修了関連の運営業務や,シンクライアントなど情報環境の再整備.2ヶ月ほどいなかったので,状況把握からしないといけず,ちょっと面倒に感じてしまう.この気持ちを乗り越えてがつがつ進めないと3月あたりに大変なことになりそう.

・ 今は待ち状態ですが,いい加減今年,本出します.

・ 形式手法Webサイトを放置しているのでいい加減がっつり更新.

<イベント関連>

・ 3月にけっこう大きなイベントのローカル運営担当.これは優秀な学生さんがついてるから大丈夫かな.

・ その中でセンサーネットワークやサービス指向周りのワークショップやります.内輪色の強いイベントですが,おもしろいものにしてきます.

・ 今月サービスコンピューティング研究会の第2回.今回も予想以上の盛況,感謝.


「選択と集中」を怠って何でもやりたがるとこうなります.基本的に器用貧乏っぽいです.でも,もっとアクティブに,もっと広い視点と知識を持って,でもちゃんと深さも保ってやっている人たちがそこら中にいますからねぇ.あと流れと想いがあってこうなっており,見かけほど発散していないので,もう少しだけこのまま走り続けています.

「器用貧乏」を突き抜けると,いろいろなことにきっちり踏み込んだ上に積み上げられる力を武器とする「器用裕福」に至ることを見せてやんよ.

指導系もイベントラッシュ


この前チュートリアルや来週の講演について書いたけれども,教育・指導系でもイベントがばっちり重なって,もう何が何だか.


最近フランスからのインターン2人の面倒を見ていたのだけど,今週は2人ともお国で修論発表.昔も書いたけど,こっちは「インターンのsupervisor」をやっていたのに,あちらの大学院としては当たり前のように「修論のsupervisor」扱いになっている.日本では考えられない.システムが違いすぎ.

そんなわけで,今週は彼らの発表資料についてメールでやりとりしたり,あちらの先生方からレポートを求められたり.自分が修論のsupervisorでもあるということをもっと早く知っていればなぁ.


大学院入試の結果,自分の指導を希望していた社会人学生さんが入ることになった.助教は主指導教員にはなれないので,形式上は他の先生にお任せして自分は「アドバイザー」だけれども.「5年制博士課程」なので先は長い(というか自分の今の契約任期を超えてる)し,社会人の方だしいろいろ大変そうだけれども,またいい経験が増えていきそうだ.


そして,トップエスイー(企業の開発者向け教育コース)の方でも,ソフトウェア工学の技術を適用する「修了制作」の指導を3名担当することに.今週全員と打ち合わせをしたのだけど,全員形式手法ネタでなかなかおもしろそう.BPDM(OMGの最新プロセスメタモデル仕様)を扱っている人もいて,テーマ見た瞬間もう「自分の研究分野ピンポイント!ムッハー!」っていう感じ.

実際の開発に関しては,自分には見えてないことが現場から来た人たちには見えてる.なので同じ手法・ツールでも,コストや使いやすさ,組み入れやすさについて,それぞれの経験に基づいて違う実感がある.ほんとにこっちの勉強になっている.


そんなわけで,大学院もトップエスイーも,10歳とか上の方を「指導」することになっていて,自分の方が得るものが大きい.申し訳ないくらい幸せな環境だ.

Bメソッドチュートリアル


今日はBメソッドという形式手法の1日チュートリアル.といっても自分が話したのは少しだけれども.無料版のツールはXEmacs上で動く前時代的なものなので,トラブル対応でぐったり.今年の12月に今の商用版が無料になればもっとよくなるはず.

いくらパリの地下鉄だの空港シャトルだので使われてようが,日本ではほとんど知られていないのでどうかなぁと思ったのだけど,まさかの満員御礼.今年度はろくに研究の時間もとれずに,形式手法の教育・実践に力を注いでいたけれども,それに見合うくらい,ほんとにブームが来ているのかもしれない.


そして来週はゲーム開発者会議で,今度はモデル検査についての講演.モデル検査なら他にもっと専門家がいるので申し訳ない感じもするのだけど,「ゲームが少しはわかる」「形式手法なんて,っていう人の感覚も残っている」というところの適性はあるのかもしれない.

ゲームに詳しい人にプログラム見せたらひどく興奮していたので,他の講演者はやっぱりそうそうたるメンツみたい.確かに自分は開発者やデザイナーの名前まではわからないけど,タイトルとしては自分にもわかるくらいのすごいのが並んでるし.講演者限定のレセプションとか実はすごい場なのではなかろうか.
ようこそ!
  • 累計:

中の人(石川 冬樹)

情報系研究所の准教授(32歳)
神田・神保町付近

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