うぃんつり3.1

情報系研究所准教授(32)のブログです。Twitter/Facebookができてからは、海外出張時における仕事外の話を書くだけの場になってしまっています。

大学院

講義 → 入試 → フレンチ焼き鳥

日記モード力尽きました.書きたいことがたくさんあるときには書く時間がなくて,書く時間がたくさんあるときにはどうでもいいことしか書くことがないという.


水曜は社会人向け講義の今年度2つめスタート.ビデオ撮られて公開されているのですが,基本変な動きをしているので自分ではとても積極的には見られない.ほんとはちゃんと見て改善していくべきなのですが,自分がしゃべっているところを3時間見るとか精神修行です.もちろんアンケートでの評価は隅々まで見させていただいているのですけどね.相変わらず22時前まで皆さんばっちりがんばっていらっしゃいますね.

受講生の方に,山口のお土産としてういろうをいただきました.勝手にういろう=中部地方だけだと思い込んでいました.


木曜は大学院入試.まぁいろいろな人がいらっしゃって難しいですよね.もちろん大学院(しかも勤務先の大学院は原則博士まで)にわざわざ来ようという方は,大きな夢とやる気を持っていらっしゃっるわけですが,実際に始める前には大半が妄想なのですよね.もしも研究の仕方がわかっているならば,もう論文読むなどして最先端を知り,論文書けているわけですし.「妄想ともやもやをきっちりした一歩一歩に変える」のは指導教員の腕の見せ所な訳で,じゃあ入試としてはそれについてこられるか,というポテンシャルを見極めるしかないような.


金曜はけっこう自分の時間をとれてみっちりお仕事.夜は新丸ビルでフレンチ焼き鳥

壮行会&送別会

今日は学生さんの壮行会&送別会.

博士の学生さん2人が半年とか1年とか海外に行ってきます.専門の方向性とかいろんな意味で,今の研究グループに収まるべきではない2人だったのでよかったです.自分はそういうことをすることなく国内で盲目的に走り続けていたので,もししていたらどうなっていたかなぁとか思うこともあります.結果として自分が身につけさせてもらったものは,国内での活動・プレゼンスを示し,国内でそこそこのところに就職するのにはまぁよかったのですがね.

あと自分のインターン学生が5ヶ月の滞在を終えてフランスに帰るのでその送別会も兼ねてました.今回来た学生さんの仕事内容は,「互いの違う専門を合わせてやってみよう」というタイプのものだったのでお互いわからないことだらけ.でもしっかりやりきってくれてよかったです.本番は彼が帰国してからの修士審査ですけどね.


お店はかなり久しぶりにシャンティー.しばらく行っていなかったので,幹事の学生さんをそそのかしてここにしてもらいました.といっても,自分は打ち合わせのため1時間ほど抜けてしまいましたが.しかもその打ち合わせも,「今日は研究所じゃなくて,この店の近くのタリーズに来て!」とW大の学生さんにお願い.もうやりたい放題.

夏休みで一緒に食べに行く人が少なかったので,カレー率が低かった気がします.カレー分が不足してきました.

全人類の知と博士課程の図解

例によって「海か!」とツッコまれる格好で,論文読んだり教育コースのマネージ仕事したり.

企業の方とメールしていたら「3分のところにいるので今から会えますか?」という流れになりお会いすることになり.あちらはスーツ.こちらはTシャツ+ハーフパンツ.すいません.


The illustrated guide to a Ph.D.が秀逸ですね.

自分ができることなんてたかがしれているという.でも,「最先端」を知り,3年後,5年後,10年後の像は描けなければならない.

充実(周りが)

先月出したサービスコンピューティング系の国際会議の査読結果が来る.単著と共著2本出して,Longが1,Shortが2.Longの採択率は15%,Shortも含めた採択率は23%なのでまぁまぁでしょうか.

Longを通した学生さんは2年連続.去年はインターンで来ていたのでみっちり指導していましたが,博士学生として入学した今年はほとんど手を出してません.すごいなー.

むしろ,自分のだけ落ちている,という情けない事態ではなくてよかった,というくらい,最近は弱気でもある.

ちなみに個人的には,この分野も今が転機だと思っているので,そんなに採択率が低いことにも少し驚いていたり.


これで12月にサンフランシスコ!と言いたいところ,東京での重要イベントとかぶってしまっているので代理発表してもらう可能性大.分野的には行っておきたいのですけど−.あと,実はサンフランシスコには行ったことがないのです.ソルトレイクシティとか,アトランタとか,あとアンカレッジとかは行ったことあるのに.


朝は,先週来たインターン学生に,サービスコンピューティング系の研究をしている学生さんたちの前で発表してもらう.1回話しただけですが,彼もかなり優秀.うちの学生さんがやっていることとかなりピンポイントな内容なので,盛り上がっていました.

国際会議の同じセッションに興味を持ち,同じ論文を読み込んできたような人たちによる議論だったので,「2010年のアレだとこうだけど」みたいな感じで,詳細な部分を事前説明なしにガンガン議論していました.初めて会った人と当たり前のようにそういう会話ができて,当人たちはかなり楽しかったのでは.というか自分は楽しかった&嬉しかったです.

午後は学生さんと個別に研究議論.かなりいい感じ.


という感じで,質的にも,量的にも,こんなにすごい学生さんたちと一緒にやれることは二度とないのでは,と思っています.つまり研究系(大学院)の教員としては今が全盛期ではないか,くらいに思ってしまっています.もちろん助教なので「自分の」学生ではないのですがね.30歳で言うことではないでしょうが,でもかなり本気でそう思っていたり.

ほんとは,教員ではなく研究者として,学生さん云々とかむしろほっぽっといてでも,自分一人で成し遂げる研究が全盛期でなければならないのですけどねぇ...

仕分けの話・補足(北京から)

今日はオープンハウスを途中で抜けさせていただいてドタバタと北京へ移動.関係者が顔を合わせてみっちり打ち合わせできる日を調整したら土曜しかなかったという.

2月にまさかのハルピンに行ったのに続き,中国は2回目.相変わらず運転がアグレッシブ,そして交差点がカオス.タクシーのアグレッシブな運転のおかげで思っていたよりもずっと早くホテルに到着したものの,チェックインで30分ほど待つ羽目に.何か,格安でビジネスルームにしてもらえる,という話で混乱したみたいです.けっこういいホテル.

昨日書いたNASAとクラウドの話とか,いろいろ書きたいことはあるのですが,どれも中途半端に関わっている身なので,ちゃんと整理する時間ができたらきちんと書くと思います.


以下仕分けの方について軽く.

特に仕分け(文部科学省の行政事業レビュー),もう書いてしまいますが,「先導的ITスペシャリスト育成推進プログラム」の話は,「廃止」という言葉も一部一人歩きして,いろいろな感想が出ているみたいですね.

まず,「日本の科学技術(というかICT)にとってこんなに重要な話が廃止だなんてけしからん」という気持ちをまず強く感じるのもよくわかります.個人的には,「こんな素敵な話,自分が学生さんのときにあればなぁ」とか思います.また「そこは違うかなぁ」と思う評価コメントもあります.議論のコンテキストをすべて見ず,一部の方がtwitter等に残した「極端な部分だけ切り取ったかもしれないコメント」を後から見ているので,何とも言えませんが.

一方で,いろいろな要素が複雑に影響する中で現実にやってみた結果「改善の余地」も多々あるのは当たり前でしょう.また,そもそも今年度で終わる予定の事業である点とかはあまり把握されていないと思います.つまり「実質的には(ほぼ)終わった話」に対して「ここがよかった・悪かった」という話がいろいろ整理されていて,その中には「東大等の特定大学だけを支援するのはやめて,全国の大学どこでもできるように支援していかないとおかしい」というタイプのダメ出しも入っているわけですね(まぁ「広くやる」というのはそんな簡単な話ではないですが).最後に,「明日(なり半年後なり)関連することをもう全部やめてしまえ!」という乱暴な話でもないわけで.

まだ情報が断片的ですが,そういう側面もあるということは書いておきます.たぶんこれ以上の情報は入らないでしょうが.

学振の話・おまけ

今周りにいる博士学生の皆さんはやばいです.この人たちが,今のようにしっかりとビジョンと姿勢を保って,自分の年になるまで進み続けたらどうなるか,を思うと,自分はもうさっさと引退すべきと思えます.この子たちをきちんと送り出すのが自分の役割だと思ってしまったり.まぁそういうのは20年くらい早いって怒られますよね,たぶん.

学振の季節

学振(優れた学生さんやポスドク向けの研究支援)申請の季節ですね.

まず「業績で通らん」とかそういう判断もあるかもしれませんが,博士課程の学生さんにはぜひ申請書の項目を見て,申請内容を考えてみて欲しいです.数分で適当に書き出しただけですが,下記のようなことを考えることは今後にとって本質的かと.
  • 「クラウド」だろうが「様相論理」だろうが「MDA」だろうが「QoS」だろうが,自分の対象分野,特に自身の寄与において本質的である概念や考え方を,端的に,どういう価値の達成を目指すものとして,どういう特性により定義するのか?
  • 自分の長期(数年程度)のゴール,トップレベルのゴールを何と設定するのか?特に,壮大な夢,野望は何であって,一方でその中で達成・評価可能なゴールをどう定義するのか?
  • その長期のゴールをどういうサブゴールに分解し,その必要十分性をどう説明するのか?
  • それらのサブゴールに対してどういう実施項目,アプローチを定め,その必要十分性をどう説明するのか?
  • 自分がこれまでやってきたこと,知っていることに基づいて,それらの実施項目,アプローチの遂行に自分が適していることをどう説明し,根拠づけるのか?
  • それらのゴール設定や実施アプローチにおいて,独自・斬新な点や,相乗効果による付加価値等,固有の魅力をどのように折り込み,どう前面に出していくか?
  • 以上を合わせ論理的に飛躍なく,説得力を持ってつながった全体像をどう描くか?
  • 描いた全体像をどう端的に図に示すか?
  • 描いた全体像をどう端的で,魅力と独自性が伝わる短い言葉で概説するか?
  • 以上のような知的作業をどのようにスケジュール管理し,系統的に,または思いつき次第で進め,まとめていくか?
  • 今後またこういうことをまとめるために利用するため,どういう素養を身につけておくべきか?どういう結果を残しておくべきか?

上記はごちゃ混ぜです.というのも,下記が混ざっています.
  • 自身の研究者としての固有の魅力,特性,位置づけ,方向性を決めること
  • 取り組みの企画を地に足が着いた,実現性に説得力があるものにすること
  • それらを的確に表現し他人に伝えること
  • こういったことを継続的にやっていく姿勢とプロセスを定めること

何にしても,そういうことに向き合うと,いろいろな難しさを思い知ると思います.「下手糞の 上級者への 道のりは 己が下手を 知りて一歩目」(by 安西先生)です.


偉そうなことを書きましたが,自分の学生時代は何も考えずただただぼんやりしていたので出していなかったりします.修論の内容で国内論文誌2本(それぞれ海外ジャーナル化)あったし通ったのかなぁ,とかふと思ったり.皆さんはちゃんと考えて生きましょう.

サービスコンピューティング系講義

今日は大学院講義.散々迷いましたが,「サービス指向コンピューティング」というレアな講義をさせてもらっています.Webサービス周りの(今となっては常識的な)技術もあるのですが,「応用分野・ビジョン」ドリブンで結局,基礎・基盤・原則をつついていくような講義にしてあります.大半分散システム周りですが,ソフトウェア工学やSemantic Webの話も多少入れています.

せっかく大学院なんだしアカデミックらしいもっと地に足の着いた基盤領域・科学的な諸々を教えた方がいいとも思っているのですが,他の先生方の講義も考えてこういう落としどころになりました.

学生1人に教員が3人つくようなすごい人数比の大学院ですが,思ったより学生さんが来てくれてよかったです.2人留学生がいたので講義は英語.「留学生がいたら英語」はこの大学院の原則ルールですが,いいですよねこれ.


本当は,IEEE Transactions on Services ComputingのACM Taxonomyなんかを元に内容を決められるといいのですが,さすがにこれを全部やれません.時間的な話もありますが,経営工学とかとちゃんと絡んだ話は,とても人に教えられるレベルではありません.

こういったサービスコンピューティングの話も,BoK(Body of Knowledge)ができるといったレベルにはほど遠いです.まぁそういう試みは一応あるのですが,中を見るとまだまだですね.「SIerがSystem IntegratorではなくService Integratorになる」とかよく言いますが,スキル標準とかできるのは3年後なのか,5年後なのか,10年後なのか,もっと後なのか.それ以前に,実装技術としての"(Web) Service"は比較的どうでもいいでしょうが,いわゆるCIOの役割につながっていくようなスキル・教育・キャリアパス・etcは日本でいつ強くなっていくのでしょうかね.

成長の鍵

今日は新年度らしく学生さんのキックオフミーティングを2つ.

今日感じたのは,やっぱり経験・実感した「凄さ」や「価値」が自分の評価基準になるのだなぁということ.「凄い人」を身近に(twitter等でも)感じたり,何かを成し遂げる経験を経たりすると,そこでの「凄さ」や「価値」を目指すようになるんですよね.

そういう「凄さ」や「価値」の基準を持つと,世界が一変して,本,講義,日々のニュース,周りの会話すべてに「意味」ができます.つまり,その基準を目指すステップとしてとらえるようになります.そうすると,そういった何気ないものから得られるものが何百倍にもなります(数字に正確な意味はないですが).

今日話した2人は経緯上,かなり違う基準を持っていましたが,でも2人ともしっかり持っていました.それがまだ狭くて(1つの経験にスタックしてて)可愛いというか若いなぁ,と思ったのは年寄り発言ですが.

というか,自分の周りの学生さんは「凄さ」と「価値」を知った上でガンガン進めていて嬉しいです.このグループすごいです.この人たちが自分の年になったら,今の自分なんかよりもっと輝いているんだろうなぁというのは最近よく思います.まぁまだ「負ける」気はありませんが.

続: 終わらない師走

昨日は職場が法定点検のため停電.その後に一部のネットワークがちゃんと復旧しておらず,自分のマシンからはつながらない.昨日の夜に来てがっくりしたものの,ネットがいらない作業に何かやたら集中できて,22時くらいに帰るつもりが29時くらいまでいてしまいました.twitterやら諸々を見られない方が集中できるということですかね.

今日は平日の祝日&停電後ということで特に人がいたようです(入り口の名簿でわかる).が,ネットがつながらないので10分くらいで退散している人がたくさん.あーあ.


昨日かなりとりとめなく書いたので,今月がつんと進めたいことを見直しがてら書き出してみた.わかっていたけどカオス.

<研究周り>

・ サービス指向系の研究.検索関連ネタが1つ,ロンドンで構想はきっちりしたので後はどこかでがつんと作業すれば何とか.あともう1つ,工学系のネタを整理中.これから国際会議の投稿シーズンなので一気にまとめ上げてしまいたい.サービス指向系は,関連したことをやっている学生さんの数がかなり増えたので,もっと大きなことも少し計画中.

・ 法務+要求分析の共同研究.自分が法律素人過ぎてさまよっていたけど,そろそろ判例読みまくってまとめ上げてしまわないと.あと,ロンドンで見つけてきた別の共同研究先とのコンタクト,立ち上げ.

・ 組み込み開発+形式仕様系の共同研究.年末に一区切りつけたので次のテーマの立ち上げ.パートナーさんが攻めの姿勢なので楽しいです.

<学生関連>

・ 卒論,修論中間発表,修論指導.自分は現職の前に予備校副業10年とかやってるので,学生さんと関わるのが好き&楽しい&いろいろな思い入れがあるのですが,もう悠長なことを言っていられる時期じゃないですね.こちらができることは限られていますが,自分自身のいろいろな力につながるので,しっかりとした想いを抱いてがっつりがんばって欲しいです.

<ソフトウェア工学教育系>

・ 社会人向け教育コースの修了制作指導,メイン担当とサブ担当が数人ずつ.皆さん企業から,自分と違う視点と知見を持ってきて下さるのでかなり面白いです.自分のロンドン滞在があってスケジュール的にどうかと思ったのですが,立ち上げが皆さん順調で一安心.

・ 同コースの入試や修了関連の運営業務や,シンクライアントなど情報環境の再整備.2ヶ月ほどいなかったので,状況把握からしないといけず,ちょっと面倒に感じてしまう.この気持ちを乗り越えてがつがつ進めないと3月あたりに大変なことになりそう.

・ 今は待ち状態ですが,いい加減今年,本出します.

・ 形式手法Webサイトを放置しているのでいい加減がっつり更新.

<イベント関連>

・ 3月にけっこう大きなイベントのローカル運営担当.これは優秀な学生さんがついてるから大丈夫かな.

・ その中でセンサーネットワークやサービス指向周りのワークショップやります.内輪色の強いイベントですが,おもしろいものにしてきます.

・ 今月サービスコンピューティング研究会の第2回.今回も予想以上の盛況,感謝.


「選択と集中」を怠って何でもやりたがるとこうなります.基本的に器用貧乏っぽいです.でも,もっとアクティブに,もっと広い視点と知識を持って,でもちゃんと深さも保ってやっている人たちがそこら中にいますからねぇ.あと流れと想いがあってこうなっており,見かけほど発散していないので,もう少しだけこのまま走り続けています.

「器用貧乏」を突き抜けると,いろいろなことにきっちり踏み込んだ上に積み上げられる力を武器とする「器用裕福」に至ることを見せてやんよ.
ようこそ!
  • 累計:

中の人(石川 冬樹)

情報系研究所の准教授(32歳)
神田・神保町付近

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