昨日の話に関連してるような関連してないような,2009年のノーベル物理学賞の1つはCCDの仕組みに関するものです.端的には光を電荷に変換する仕組み,かな.今となっては皆のポケット,バッグの中にカメラ付き携帯やデジカメが当たり前のように入っていてものすごく広く使われているものですね.

このCCDについても,本人たちはその撮影した画像データを保存するメモリ開発には失敗していたらしいです.ソースはノーベル博物館の説明を見た自分の記憶.当時,今から40年前くらいです.100×100ピクセルの画像を撮るCCDが5年後くらいに何とか実用化されて,それでも高価,使い道も限定的だったはずです.その小さいデータを保存するのも送信するのも,今のレベルでは考えられない大きな費用,大きな器具が必要だったはず.

5年で実用化なら早い方かもしれませんが,一方で「費用対効果が云々」とか「(今の常識では)そんなのすごく特殊な業界でしか使えないのでは」とか,短期的にはそういう見方もあったのかもしれません.しかし結果として,パラダイムシフトとしての影響は計り知れないですよね.本人たちも今のような世界が拓かれていくと想像していなかったのでしょうか.


ちなみに2009年のノーベル物理学賞のもう1つは光ファイバの仕組みで,2つとも情報通信技術に関するものとなっています.これらがなかったら世界は大違いですが,それぞれのきっかけは2,3人なんですよね.そう考えると,ノーベル賞というのはすごいな,というか,自分は何やってるんだろうと思ってしまいます.